2009年06月 石井優美子添削
原 句 マロニエの花や流るるモーツァルト 丹波えり子
添削例 マロニエの花に聞こえてモーツァルト
●対象がいまひとつ見えてこないようです。モーツァルトの優雅な調べが聞こえるように、花に聞こえているように託して、優雅さを表現しています。
原 句 薫風や遠征のバス見送つて 高木美貴子
添削例 風薫る遠征のバス見送つて
●“や”で切ってしまったのが惜しいです。切れ字はそこでいったん句のリズムが終ります。ここはやはり遠征のバスを見送る、薫風であってほしいと思い、添削例としました。
原 句 陶仏の思ひ思ひの薄暑かな 池谷瞬草
添削例 陶仏の何に傾げる薄暑かな
●たくさんの陶仏が置かれたいたのが、実際の光景かもしれませんが、季語と情景が少し離れて見えています。一体の陶仏に絞ることで、季語が伝えようとすることも、返って見えてきます。
原 句 髪束ね白きうなじに薄暑かな 宮崎しずえ
添削例 夏来たる項の白き束ね髪
●女の人の艶っぽさを感じる一句ですが、季語が少し違う気がしました。明るめの季語を用いることで、束ね髪の項がどういうもであるかを想像させています。
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