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2008年9月24日 (水)

風のつぶやき

今回はママのつぶやきではなく、東京で生まれ育った関東人のつぶやき。

まもなく東より西へ移って1年半。この場所でいろんな人と知り合い、多くの出合いの中で発見や感動も多いことはここでもよく触れているが、そんな発見や感動は現在進行形で、この数か月、支援員となって勤めている中学校で以前にもまして毎日毎時間のようにやってくる。
最初の1年は、西へ引っ越してきたという実感があったようななかったような。転勤族の街であり、いろんな地方出身のたくさんの友達ができ、なんといっても関西ではなく北陸といったイメージが強い場所。夏は30度後半の連日の猛暑に南に住んでいるような、長い冬は底冷えの朝晩、厚い雲にお天道様を拝めず、絶え間なくなにやら降る毎日に北へやってきてしまったような。

当初より、地元の方言に早々に馴染んでいる娘に私は驚いたが・・・娘と商店街などを歩いていると「小っさいのに、ようけしゃべりはるなぁ。ほんでもまだまだ標準語ぉ抜けへんなぁ。」「いくつや?いつ来たん?まだ言葉は変わらんか?」と。娘が使用する語句は同じでも、イントネーションはまったく違うのだろうか。学校の中で生徒同士、生徒と先生のやりとりなどを聞きながら地域独特の「間」のようなものが違うことに気づいた。暮らしの中で自然と形成されるリズム、テンポか、正確な表現は難しいけれど、繰り返し耳にする会話の間。「オチはないんか。」「あるか、ボケ。」と、ネイティブの突っ込みのある日常会話に感心しながら聞き入ってしまうこともたびたび。いわゆる関西弁・大阪弁とも違うが、たしかに東で体感したことのないもの。会話以外にも気になるもの。私が中学校の頃にシブガキ隊の下敷きを持っていたように、男子だけでなく女子の多くも、タイガースの選手の下敷きを愛用している。お昼の放送で阪神戦の結果報告も。敬語の用い方やニュアンスの違いによるフレンドリーな雰囲気も初めてのもの。会話の間とアクセントやイントネーションがことごとく違うだけで使う言葉はほとんど変わらないとも思ったが、最近やっぱりこれまでは聞いたことがなかった言葉もたしかにある。「後ろ」は「裏」。「うちは○○の裏の席やで。」「順番ちごうとるやん。前やない、裏やで。」と。
いずれにしても「間」(ま、ではなく、まぁあ)が西を感じさせる大きな要素であることは間違いない。
と、長谷川櫂氏の日本の生活・文化は間を大切にする生活・文化とのお話を思い出した。家においては襖や障子、人と人のつきあいの距離間、和服の切れ目の風通しのよさや、包丁の切れ目など、お芝居や音楽、芸事などの作品も。そして俳句においては言わずもがな・・・。

さて、一年ほど前、「土の人」と「風の人」についてお話をうかがう機会があった。「土の人」とは生まれも育ちもその土地の人、「風の人」とは何かの縁(えにし)があってそのまちに来た人のこと。その土地に生まれ育った人でないとわからないことと他所から来た人でないと気付かないことが融合してこそ、転がり続ける「まちづくり」が可能となるという。風に吹かれてやってきたこの場所で、いつかはしっかり土に根を張れるだろうか。春を待つこれからの半年は、いろいろな場面で土の人、西の間に救われることが増えそうである。

鰯雲寄り道ばかりしてゐたり ☆heren☆

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