6月兼題1「デッキチェア」
休日や炭酸水とデッキチェア 三浦さらさ
半島を望む夕日にデッキチェア 松本広子
まどろめば亜麻色の夢デッキチェア 辰巳道子
デッキチェアモネの画集に眼を落とし 織田道子
デッキチェア沖より呼べば応へけり みやぎ深雪
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休日や炭酸水とデッキチェア 三浦さらさ
半島を望む夕日にデッキチェア 松本広子
まどろめば亜麻色の夢デッキチェア 辰巳道子
デッキチェアモネの画集に眼を落とし 織田道子
デッキチェア沖より呼べば応へけり みやぎ深雪
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寝ぐづりの子をもてあます薄暑かな 堀田房子
宮殿に続く坂道薄暑かな 丹羽えり子
夕薄暑坂上りきるまでの黙 長沼玲子
布団からあしゆび出して夜の薄暑 田中あき子
全快の便りに遊ぶ薄暑かな 田川緑
玄関の塵ひとつ無き夕薄暑 松田美穂
友の逝く薄暑にロック流れたり 八重樫雅子
飛び石を踏み外したる薄暑かな 西村麻紀
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生かされてゐるわたしなり菖蒲の湯 落合文枝
行く春や壁に無数の画鋲跡 佐野佳代子
こでまりの風を集めてふくらみぬ 林澄枝
台所を動き回りて洗ひ髪 北村英子
金箔に現れし黒ずみ五月闇 釈定子
苛立ちの訳曖昧に髪洗ふ 國安由里
夏めくや鯉の背びれの光りをり 亀田紀子
五月雨や余白にふえし覚書 和田始子
春草や児の踊り出すコンサート 池田良子
じやくしんにそつと寄り添ふしやがの花 須江真由美
吐きとおす嘘なら許す夜の薔薇 池田なお
御感てふ藤ずつしりとどつしりと 角田智子
青葉若葉や父と子の左利き 中村和日子
万緑や空に向かつて歌うたふ 重松彩
リラ咲くやいづれも海に到る道 金野美月
一湾の果てまで眩し夏兆す 小澤香
睡蓮の憂ひたる空見上げては 山本ゆうこ
羊水の中で聴きたる聖五月 松岡千代
首都高の影を水面に春の川 秋山よし美
緑蔭に苔光り出す真昼かな 板垣道代
薫風やラメのス二ーカー万歩計 前田隆子
連れられて通る裏口業平忌 かしまゆう
夏鴨の子を見る首のまろさかな 板谷圭子
姫女苑富士見えるらし展望台 清水美穂
薫風や遠征のバス見送つて 高木美貴子
喝采のホールを出でて月涼し 山中悠嘉
白線の光るコートに夏来る 宮崎しずえ
胸の内さぐりさぐりの扇子かな 小出さつき
ひとしきり泣いて笑顔に柿若葉 萩原満智
買ひもとめそのまま連るる白日傘 渡辺良恵
ふるさとは村から町に風薫る 鹿野寿美子
同僚の暑気払ひなる合言葉 池谷瞬草
貨車通るみかんの花の香の中に 宮沢恵理
除草する姐さんかぶりの二世かな 岩田薫
返信はアスキーアート夏兆す 鷲見治子
雨音を持て余したる五月かな 深澤寛子
返信のあてなき手紙卯波立つ 北嶋正子
厩舎へと戻る象の背春暮るゝ 磯﨑憲子
君の背に恋してしまふ夏嵐 小泉由佳子
揚羽蝶水平線を越えにけり 西まなみ
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| フレッシュマン改札口に待ち合はす | 三浦さらさ |
| 細腰も尖つた靴もフレッシュマン | 清水美穂 |
| フレッシュマン絵文字メール飛び出して | 田川 緑 |
| フレッシュマン父と一緒に出勤す | 角田智子 |
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| 雲流れニレの樹揺れて鳥の恋 | 須江真由美 |
| 鳥交るメールに並ぶ八分音符 | 池田 なお |
| 鳥の恋携帯電話まだ切らず | 八重樫雅子 |
| 空の巣の在りて尽きたる鳥の恋 | 長沼玲子 |
| 奈良町のカフェの格子戸鳥の恋 | 北嶋正子 |
| ご褒美のやうな空席鳥の恋 | 渡辺良恵 |
| 瑠璃色のガラスのかけら鳥の恋 | 山中悠嘉 |
| 鳥の恋君専用の着信音 | 加島葉子 |
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| 春嵐嵐山までついてくる | 北村英子 |
| 故里へ近づく電車山ざくら | 落合文枝 |
| 日の暮れて桜墨絵の如しかな | 大貫妙子 |
| 夜桜や池面にありてゆれてをり | 辰巳道子 |
| 散ることの決められてゐる桜かな | 坂ゆかり |
| 賑ひの中戻り来て春愁 | 國安由里 |
| 手毬麩の紅ふつくらと花の昼 | 釈 定子 |
| 春の宵踊るワルツのステップに | 松本広子 |
| 走り去るハーレー落花巻き上げて | みやぎ深雪 |
| 暮の春絵筆に紅を残しけり | 林澄枝 |
| 春風をまとひベンチの旅鞄 | 堀田房子 |
| 苗札の母の筆跡なぞりけり | 板垣道代 |
| 花の頃生れて今年の花の下 | 池田良子 |
| 裸婦の絵にもんしろてふのとまりたる | 前田隆子 |
| チューリップ崩れし時の潔さ | 中村和日子 |
| 風光る石橋木橋太鼓橋 | 小澤 香 |
| チューリップ白き靴下整列す | 峰はるか |
| したためし文に添へたる新茶かな | 池谷瞬草 |
| ステンドグラス花冷えのひとかけら | 佐野佳代子 |
| マネキンの見えぬ外見て春惜しむ | 織田道子 |
| ぼうたんの風を抱きてほころびぬ | 山本ゆうこ |
| 行春や息づくものに名を連ね | 秋山よし美 |
| 表紙絵のちひろの少女入学期 | 宮沢恵理 |
| リラ冷や自転車濡らす雨雫 | 板谷圭子 |
| 土の香の滴となりて穀雨かな | 鹿野寿美子 |
| 始まりは入学式の前後ろ | 重松 彩 |
| のどけしや三線の音の風にのり | 岩田薫 |
| 春の池映すものみな揺らめきて | 和田始子 |
| 桜草母校に赴任する日かな | 宮崎しずえ |
| 黒御簾に残る笛の音春惜しむ | 萩原満智 |
| 春愁や脳科学者の腕時計 | 鷲見治子 |
| 亀鳴いて黒子がそれに応へけり | 田中あき子 |
| 亀鳴くや傘持ち歩く日本晴 | かしまゆう |
| 朧夜の恋せぬ女ピアス揺れ | 松岡千代 |
| 春潮や島へとつづく長き橋 | 高木美貴子 |
| 上野駅子離れできず春の暮れ | 松田美穂 |
| 囀りやホームレス歌人称へたり | 初田幸代 |
| 尼寺の片隅に雛桜かな | 西村麻紀 |
| スカートは短きが良し蕗の薹 | 磯崎憲子 |
| 会釈して桜蘂降る通学路 | 深澤寛子 |
| 花屑に猫の足跡続きけり | 西まなみ |
| 春風のすこしさみしく吹くころに | 小泉由佳子 |
| 春の夜の妻の座置いて出掛けをり | 小出さつき |
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彗星の碧き尾延びて二月尽 佐野佳代子
のがれてものがれてもなお二月尽 須江真由美
古本を山と積み上げ二月尽 松田美穂
二月尽母となりける乳房かな 林 澄枝
賑はひに身の置きどころなき二月 山本ゆうこ
巫女の舞ひ雅楽に溶けし二月尽 亀田紀子
バスソルト使ひ切つては二月尽 清水美穂
音たてず進む秒針二月尽 田中あき子
鍵穴より洩れくる光二月尽 山中悠嘉
二月尽人影の無き記者クラブ 池谷瞬草
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身の丈の確定申告終へにけり 三浦さらさ
キーボードの光る確定申告 田川 緑
花を買ふ確定申告終へたれば みやぎ深雪
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入学の荷造り忙し嬉し淋し 北村英子
蛇穴を出て群集の人となる 國安由里
パステルのミニスカートに春寒し 川崎晶子
春燈埴輪の女人ひざまづき 釈 定子
粉末の薬さらさら春時雨 落合文枝
水たまり春一番にさざなみす 堀田房子
白梅や琴の流れし美術館 大貫妙子
ひとり子のひとり遊びや春日陰 坂 ゆかり
満席に並ぶ茶処梅の雨 丹羽えり子
蜆汁嘘に大小ありにけり 北嶋正子
春暁や始発電車を待っており 八重樫雅子
ままごとの家雛菓子をふるまはれ 和田始子
マンションの六畳一間冴返る 加島葉子
春雪舞ひて先生の泣き黒子 板垣道代
春風邪のあかしろきいろ薬箱 前田隆子
春ショール一人遅れし待ち合はせ 織田道子
沈丁や婚姻届出すといふ 池田良子
初蝶の空を小さく切り取つて 長沼玲子
春光へ手を伸ばしたる阿修羅像 松本広子
夕さりの一門(ひとかど)灯し白木蓮 小澤 香
花結び解いて飾るる雛かな 角田智子
桜忌の衣より抜きし躾糸 かしまゆう
春の雪言ひかけてより口つぐむ 小出さつき
白木蓮仰ぎたる師の掌 鹿野寿美子
髪染めし少女に触るる春の雪 深澤寛子
口笛で応えたあの日鳥雲に 初田幸代
恐竜の化石片足花の冷え 宮沢恵理
春宵の浜辺彩るフラ・ダンス 宮崎しずえ
靴跡の滲みて雪の別れかな 板谷圭子
春光や机上の塵に長き影 秋山よし美
平らかや目鼻持たざる紙の雛 萩原満智
白木蓮少女の胸の鼓動かな 松岡千代
春風やいつものカフェに誘はれて 鈴木 陽
つまづきし段差の見えぬ彼岸入り 渡辺良恵
初めても馴染みも春の宴かな 高木美貴子
茂吉忌の母の寝顔の穏やかさ 西村麻紀
春眠や我は四海に君臨す 磯崎憲子
潮風を追ひし潮風椿寿の忌 西 まなみ
一進一退春風に吹かれをり 小泉由佳子
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入試の子待つ間の都会冴え返る 北村英子
皿割し朝一番や冴え返る 丹羽えり子
取り返しつかぬ言の葉冴返る みやぎ深雪
冴返る切手はらりと膝の上 萩原満智
冴え返るテキストのまる赤く映え 田川 緑
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